えいごのべんきょう中 (たぶん)

英語多読・多聴・多視聴で攻略した作品の覚書

The Boy Who Kicked Pigs

My Read Time: 5days

こんなもんベッドタイム・ストーリーなんかで寝る前に読み聞かされたら当分悪夢にうなされる。

The Boy Who Kicked Pigs

The Boy Who Kicked Pigs

 

 

子供の時に読んでいたら間違いなくトラウマになっていた。子供の時でなくともトラウマになりそうだ。読みながらラストの間ではグロさと容赦のなさで涙目になって凍りついていた。
いや本当にかなり強烈なお話だったんですよ。

 

「The Boy Who Kicked Pigs」というのは文字通り、ブタさんを見ると蹴っ飛ばしたくなってしまう衝動にかられる少年ロバート・カリガリくんの物語だ。
 ブタさんを蹴っ飛ばしたくなる衝動を抑えなかったロバート・カリガリくんがどのような末路を辿ることになるかを最後の最後までおそろしく容赦なく描いている。しかもとってもユーモラスに。
 このユーモラスな語り口で一見グログロしい現実をオブラートに包んでいるようにみせかけながら、その口調が余計に怖いわっっていうところまで読むものを引きずり込む。

 最初はお姉さん貯金箱のブタを蹴っ飛ばさずにいられないという衝動がおさえられないところから始まる。ロバート・カリガリくんは小さい頃から人間が大嫌いだ。人間の偽善、欺瞞には虫酸が走る。そういう少年だ。彼が嫌っているものは、おそらく大抵の人が嫌っているものだろう。だからロバートくんが拗ねるのもまぁわからないではない。時にうっかり共感できない部分もないではない。そこが怖いのだ。

 ロバートくんは人間の偽善や欺瞞のせいで自分はとても苦しんでいると思っている。その中に迎合していくのはたえられないと思っている。迎合していくやつは愚かすぎて許せない。彼はその苦しみをブタを蹴っ飛ばすことで発散する。ブタが見当たらなければ、なにか関連するもの、彷彿とさせるものを代替えとする。その結果起こった惨事や他人が被った痛みは彼にはまったく見えない。まったく感知しない。感知しても”いい気味”という喜びにしかならない。

 やがてロバートくんがお起こす惨事は雪だるま式に拡大していくこととなる。
 雪だるま式に拡大して手のつけられない大惨事に人々を巻き込む。
 そしてロバートくんはその報いを受ける。
 裁きではなく報いだ。
 それはまるで豚の貯金箱を蹴っ飛ばすような些細なことのようにロバートくんの身の降りかかる。
 そこからロバーツくんは肉体的苦痛というものを容赦なく味合うこととなる。
 彼が他の人の痛みをまったく感知しなかったように、誰も彼の痛みに気がつかない。
 誰も彼を発見しない。
 誰にも顧みられることなく、ロバートくんは恐ろしい苦痛を加え続けられ続ける。
 最後の最後まで。
 文字通り最後の最後まで。

 この物語はこんな文面ではじまる。

Saturday, June the 13th. And Robert Caligari is going to die today.

 や、そりゃまぁ、予告されていたわけですけどね。
 いやいや、はやはや。


このお話を書いたのはイギリスのトム・ベイカー!
Doctor Whoで不動の人気を築き上げた4代目ドクターを演じた俳優さんだ。

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85歳。今も俳優として精力的に活躍されている。

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最近ではDoctor Whoの小説も出版した。こちらもとんでもなく面白い。

Doctor Who: Scratchman (English Edition)

Doctor Who: Scratchman (English Edition)

 

 感想文がこちら

www.timeywimey.work

 

トム・ベイカー、恐るべし!

 

ちなみにこの「The Boy Who Kicked Pigs」はなんと新潮社から邦訳されている。

ブタをけっとばした少年

ブタをけっとばした少年

 

ドクター・フーすらもなかなか浸透ないのに、この本は翻訳されている。

それもビックリだ!

むしろそれが一番ビックリだ!!!

翻訳された方はフーヴィアンさんなんだろうか。

これ読んだちびっ子達、大丈夫だったんだろうか?!いやマジで...💧