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英語多読・多聴・多視聴で攻略した作品の覚書

Shakespeare (Eminent Lives)

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Shakespeare (Eminent Lives)

Shakespeare (Eminent Lives)

 

 シェイクスピアがどういう人物なのかは諸説ある。シェイクスピアについてほとんど知らない私でもシェイクスピアが実は複数いたとか、役者ではなく身分を隠した貴族とかそんな話をどこかで耳にしたことがある。そもそもシェイクスピアとはどういう存在なのか。この本では可能な限り、”今の時点で物証などのしっかりした根拠があり確実に言えること・言えないこと”を冷静な視点でクリアにしてくれる。

 

今でさえ戯曲は出版されないことの方が多いし、もともとの原稿と実際上演された内容に変更が加えられいるのも当たり前。上演期間中に変更されることも珍しいことではないので、そう考えればシェイクスピアの戯曲のいわゆる原本が存在しないといわれても不思議ではない。シェイクスピアの研究も古い時代から行われていて、その根拠をつきつめていけばなんの根拠もなかったり、捏造話が元になっていたということもざらにある。そもそも最初の写し本の時点で、印刷担当者が誤字脱字をやらかしたり、自分の判断で手直ししたりしているのだから、今後も真実があきらかにされる可能性は低そうだ。

これを読めばシェイクスピアの正体について繰り返し論争され、戯曲の内容や解釈も飽くことなく繰り返される理由もよくわかる。シェイクスピアをとりまく研究者たちの物語もなかなかブッ飛んでいて面白い。当の研究者が古書を破って売りさばくなどしたせいで余計に真実は埋もれていったり、研究に熱心になりすぎて常軌を脱したり。

物事は鵜呑みにする前に、そもそもの根拠は何かをつきとめる作業をいつでも忘れてはいけないなと肝に銘じたくなった。